初めての電源選び[電気製品が使える時間]

電気製品が使える時間

DC12V100Ahのバッテリーをワットアワー(Wh)に換算すると
100Ah×12V=1200Whとなります。

インバーターでDC12VをAC100Vに変換すると変換ロスが発生します。
変換ロスを大きく見て約2割減と考えます。

1200Wh×0.8=960Wh (実際に使える電気は960Wh)

1200Wh(100Ah)バッテリー

鉛ディープサイクルバッテリーは放電の際に電圧降下が激しく 上記計算が当てはまらない場合がございますので、参考程度にお考えください。
その点当店取扱いのリチウムイオンバッテリーは放電の際、電圧降下しにくくおおよそ計算通りに使用することが可能です。

これを電気製品の消費電力で割ると使用可能時間が大体わかります。

使用可能時間例

電気製品の消費電力一覧どれくらい電力を使用するのか?

※注意

電子レンジなどに500Wや300Wなどの出力表示がされている製品がありますが、上記で使っているWやWhとは別のものです。冷蔵庫や冷凍庫などに表示してある出力なども勘違いされることが多く、インバーターの許容をはるかに超えた使い方をして壊してしまうことがあります。特に「電子レンジ」や「冷蔵庫」、また、モーターを使用している電気機器(ポンプや電動工具)などは注意が必要です。 製品の仕様書などに記載してある「定格消費電力」「起動電力」などを確認し、容量の合ったインバーターを使用してください。電気製品の仕様がわからない場合、必ずメーカーにご確認ください。

バッテリーの時間率とは

鉛ディープサイクルバッテリーの性能表記に時間率という項目があります。例えば下記の様な表記があるバッテリーについてご説明します。

表記:定格容量(20時間率25℃)100Ah/12V

計算としては
①100Ah×12V=1200Wh/20時間=60W
②100Ah/20時間=5A×12V=60W
※計算方法は①②どちらでも同じ

表示の意味は
消費電力60Wの電気製品を20時間使うことができる。
60Wの電気製品を20時間掛けて放電すれば100Ah分の電気を取り出せるという意味

変換ロスを2割として考えると実際には60W×0.8=48W
消費電力48W程度の小さな電気製品を使えばバッテリー本来の容量を使うことができるということになります。

消費電力の高い電気製品(電気ポット・冷蔵庫・エアコン・電子レレンジ・IHクッキングヒーターなど)で使用す ると性能以上の放電を強いられて性能劣化 はもちろんのこと、本来のバッテリー容量分を使うことができま せん。

こちらのテストを参照ください。

容量100Ahの鉛ディープサイクルバッテリーとリチウムイオンバッテリーで200Wの電球を6個(約1200W)点灯 させたテストです。

テスト内容:オンリースタイルマルチインバーター2000Wタイプを使用。白熱球(200W)を6個点灯させバッテリーの電圧降下を計測。

電圧降下特性 比較テストの図

テスト環境
  • 鉛ディープサイクルバッテリー(AGMタイプ)100Ah
  • Sinopolyリチウムイオンバッテリー100Ah
  • オンリースタイルマルチインバーター2000W
  • 負荷:白熱電球200W×6個(約1150Wh)
テスト結果

鉛ディープサイクル

  • 低電圧防止アラーム:20分42秒
  • シャットダウン:23分11秒
  • 積算消費電力
    (実際に取り出せた電力量):440Wh

リチウムイオンバッテリー

  • 低電圧防止アラーム:53分39秒
  • シャットダウン:54分11秒
  • 積算消費電力
    (実際に取り出せた電力量):1030Wh

低電圧アラームまで約2.6倍! 取り出せる電力量約2.3倍!

変換ロスを2割として考えると実際には60W×0.8=48W
鉛ディープサイクルバッテリーは約20分、リチウムイオンバッテリーは53分、容量は同じ100Ahですが、実際 に放電できる電気量はかなり差がでます。

これは高い負荷がかかった際の電圧(V)降下特性が異なるからです。
電圧が下がると、インバーターの定電圧防止機能が働きシャットダウンします。
インバーターの定電圧防止機能は、一般的にバッテリー電圧が約10.5V~約10.0Vで作動しインバーター機 能を停止します。

リチウムイオンバッテリーは時間率に当てはめると、1時間率の性能があると言ってもいいでしょう。