サブバッテリーとは
車に搭載されているメインバッテリーにインバーターをつなぎ電気を使ってしまうと、メインバッテリーの電気が空になり、エンジンが掛けれれなくなるなどのトラブルが想定されます。
それでは困ってしまいますので、キャンピングカーや車中泊をする多くの方はサブバッテリーという電気製品を使うた為のバッテリーを別に用意してインバーターで AC100Vに変換し電気製品を使います。
サブバッテリーは電気製品を使う為の電気を蓄える電池と言えます。
サブバッテリーの種類
大きく分けて2つのタイプがあります。
鉛ディープサイクルバッテリー
これまでサブバッテリーとして使われてきたものですが、重量が重く充放電回数もリチウムイオンバッテリーに比べ少なく時代の流れでいずれ消えゆく古典的なバッテリーです。
リチウムイオンバッテリー
軽量コンパクトで繰り返し充放電は鉛バッテリーの10倍程の次世代バッテリーです。
携帯電話やノートパソコンなど多くの携帯端末で使われており、近年技術的革新が進みハイブリッド自動車や電気自動車で使われております。
”リチウムイオンバッテリーには2つの大きな特徴があります。”
特徴1 軽量!
まず1つ目はその軽さといえるでしょう。
軽くなればクルマの燃費にも貢献しますし CO2削減にもつながり
ます。
また、持ち運びの面でも軽いですから とても楽に持ち運べます。
特徴2 充放電回数!
2つ目は充放電回数といえるでしょう。従来の鉛バッテリーと比べると約5.7倍ほど繰り返し充放電をすることが可能と言われております。
一般的な例として・・・
鉛ディープサイクルバッテリーの充放電回数 約350回
リチウムイオンバッテリーの充放電回数 約2000回
※上記は、蓄えた電気を毎回80%使用して 充電した場合の値です。
性能面、機能面から見て明らかにリチウムイオンバッテリーの方が優れており、昨今価格面、供給面でも安定的に調達することが可能になりま した。
今後益々リチウムイオンバッテリーへの切り替えが進み、
鉛ディープサイクルバッテリーが消える日もそう遠くないでしょう。
インバーターがたとえ3000Wタイプでも、サブバッテリーの容量が小さければ使える電
気の量(サブバッテリーに溜めている電気)が少ないのでインバーター本来の性能を発揮
することができません。
また、使える電気の量が少ないので消費電力の大きな電気製品を動かすことができない
か、動いたとしても一瞬で電気を使い果たしてしまいます。
”一般的なクルマの鉛バッテリーとの特性の違い”
クルマに搭載されているメインバッテリーは常にフル充電(満タン)状態で使うことを前提に作られており、バッテリーを空まで使うことを前提にしたバッテリーではありません。 よって、安いからといってクルマのメインバッテリーをサブバッテリーに利用することはお勧めできません。
それに比べ鉛ディープサイクルバッテリーやリチウムイオンバッテリーは繰り返し使うことを考えて作られており、電気を100%使いきっても回復に強く繰り返し充放電が可能であると謳っております。
ただ、クルマのメインバッテリー等の鉛バッテリーに比べれば上記の特性があると言うことであり、鉛ディープサイクルバッテリーやリチウムイオンバッテリーだからといって毎回空の状態になるまで電気を使い果たしている使い方ではやはり長持ちはしません。
バッテリーを長持ちさせる秘訣は、なるべく空に近い状態まで使わず少しでも使ったら充電することを心がけることでしょう。
サブバッテリーの充電
電気を溜める(充電する)そして電気を使用(放電)するこれを繰り返すわけで
すが、バッテリーに電気を溜めるには充電する必要があります。
一般的にはバッテリー充電器を使って、家庭用コンセントから充電器で充電
します。
充電器は、バッテリーの種類や容量に合ったものを選ぶ必要があります。
充電電流の値が高ければ早く充電することができますが、高い電流を流すとバッテリーにダメージを与えてしまう形となります。
一般的に鉛ディープサイクルバッテリーは容量(Ah)×0.1(A)以下の電流で充電することが良いとされております。
例) 1200Wh(100Ah)の鉛ディープサイクルバッテリー×0.1=標準充電電流10A
100Ah/10A=充電時間10時間
リチウムイオンバッテリーの標準充放電電流は容量(Ah)×0.33(A)ですが最大として容量(Ah)の1~2倍の電流で充放電することも可能です。
例) 1200Wh(100Ah)のリチウムイオンバッテリー×0.3=標準充電電流30A
100Ah/30A=充電時間3.3時間
オンリースタイルマルチインバーターは正弦波インバーターにバッテリー
充電器が内蔵されているこれまでにない全く新しいタイプのインバーターです。
バッテリー充電器が内蔵されているため、別途充電器を購入する必要がありません。
一般的なバッテリー充電器は充電電流が~10Aのものが主流で、価格は10,000円~30,000円位となります。
サブバッテリーの充電方法
バッテリー=蓄電池 と解釈するとわかりやすいと思います。
電気を溜め、電気を使う。
バッテリーの電気を使ったらバッテリーに電気を溜めておく必要があり、これを充電といいます。
下記のように4種類のバッテリー充電方法が考えられます。
”最も効率的で確実な充電方法”
”充電時間の目安”
100AHのバッテリーをマルチチャージャー(40A)で充電した場合の充電時間は下記になります。
200AHのバッテリーマルチインバーターの充電機能で充電した場合の充電時間は下記になります。
※注意
充電器に表示している充電電流は最大充電電流です。
充電電流はバッテリーの状態によって変わってきますので充電時間は上記計算方法より長くなります。
マルチチャージャーの場合、最大充電電流は40Aですが常時40Aで充電は行ないません。
”走行充電による充電”
車のオルタネーターの発電を使って充電する方法
走行充電の方法は大きく分けて2種類
バッテリーセパレーター
メインバッテリーの電圧によってメインとサブが並列になり、電圧が下がると切り離される
サブバッテリーチャージャー(アイソレーター)
メインバッテリーで余った電気をサブバッテリー充電。
メインとサブは並列にはならない。
バッテリーは容量の少ないバッテリーから容量の大きなバッテリーに電気が流れてしまう性質があると言われております。メインバッテリーはサブバッテリーに比べ一般的に容量が少ないので、メインとサブが並列か つサブが空の状態の時、一気に電気が流れてメインの電気を使い果たしてしまう可能性もありますので、 サブバッテリーチャージャーのご使用をお勧めいたします。
リチウムイオンバッテリーの場合、メイン(鉛)と並列になることは避けて頂いておりますので、必然的に サブバッテリーチャージャーをご利用いただく形になります。
<走行充電の現状>
最近の車は燃費の向上を目的として、オルタネーターを制御する「充電制御車」がほとんどです。 制御方法はメーカーや車種によっていろいろあるようですが、メインバッテリーが満充電になる、 または、その前にオルタネーターの発電を止めてしまうようで、サブバッテリーの充電はあまり期待できないと言われております。
”太陽光発電(ソーラーパネル)による充電”
ソーラーパネルで発電した電気で充電する方法
ソーラーパネルには大きく分けて4つの種類があります。
・単結晶
・多結晶
・アモルファスシリコン
・CIGS
詳しくはご自身でお調べください。
当店では発電効率の高い単結晶パネルと、軽量で曲げられるCIGSのフレキシブルソーラーパネル を取り扱っております。
ソーラーパネルの基本的な知識
ソーラーパネルで発電した電気をそのまま電気製品の電気として使えると勘違いされている方が多くいら っしゃいます。
太陽光での発電は不安定な為、大前提として電気を一度バッテリーに溜める必要があり、溜めた電気を インバーターでAC100Vに変換して使用します。
※家庭用太陽光発電のように数十枚ソーラーパネルを設置すれば不自由なく電気製品が使えるほど発電できるかもしれませんが、1枚、2枚ソーラーパネルを設置しただけでは、同じようにはいきませんのでご承知おきください。
充電コントローラー
ソーラーパネルだけではバッテリーに電気を充電することは出来ません。 必ずソーラーパネルの仕様に合った「充電コントローラー」 が必要になります。
充電コントローラーには大きく分けて2つの種類があります。
・MPPT充電方式
・PWM充電方式
当店では変換効率の高いと言われているMPPT充電方式の充電コントローラーを扱っております。
point
発電効率の高いソーラーパネルを選ぶことが重要です。
また、ソーラーパネルの仕様にあった充電コントローラーを使うことも重要であり、当店では発電効率の高いソーラーパネルと充電効率のよいMPPT充電コントローラーを販売しており、 かなり実用性の高い運用が期待できます。
ただし太陽光発電はあくまでも自然エネルギーですので天候や状況に左右されることをご承知おき下さい。
”車載用327Wソーラーパネルキット”をハイエースに取り付けて実際の発電量をチェック!
2014年関東地方が梅雨に入る直前にテストを実施!
世田谷区を出発、東名高速を走行し富士スピードウェイに到着、お昼ごろまで測定。
テストではリチウムイオンバッテリーを放電させて空の状態からスタートしています。
バッテリーが満充電あるいはそれに近い場合、充電制御により、パネル発電量=コントローラー表示値にはなりません。
発電量:45W / 充電電流:2.4A / バッテリー電圧:11.4V
発電量:70W / 充電電流:5.7A / バッテリー電圧:12.3V
発電量:145W / 充電電流:11.2A / バッテリー電圧:13.0V
発電量:170W / 充電電流:12.9A / バッテリー電圧:13.2V
発電量:182W / 充電電流:13.8A / バッテリー電圧:13.3V
発電量:207W / 充電電流:15.3A / バッテリー電圧:13.4V
発電量:211W / 充電電流:15.6A / バッテリー電圧:13.4V
発電量:224W / 充電電流:16.6A / バッテリー電圧:13.4V
発電量:277W / 充電電流:20.2A / バッテリー電圧:13.7V
発電量:280W / 充電電流:20.4A / バッテリー電圧:13.7V
この日のテストはここまでで終了!目視で最大20.4Aの充電電流を記録しました。
条件が良ければ実用レベルでサブバッテリーに充電できることが確認できました。
出力の小さいソーラーパネルを設置しても正直実用性はほとんどありませんが、さすがに327Wパネルは十分に実用性が感じられます。条件によっては充電電流が20A以上に達しますので、100Ah程度の鉛ディープサイクルバッテリーでは充電電流が高すぎます。
鉛バッテリーをご使用する場合には最低でもダブル(200Ah)以上でご使用ください。
11:55時点で電力の積算が約1100Wに達しており、リチウムイオンバッテリー100Ah(1200Wh)をほぼ 満充電となった。その後すぐにMPPT充電コントローラーはフロート充電へ移行し充電を停止しました。
テストではリチウムイオンバッテリーを放電させて空の状態からスタートしています。 バッテリーが満充電あるいはそれに近い場合、充電制御によりパネル発電量=コントローラー 表示値にはなりません。 条件によっては充電電流が20A以上に達しますので、鉛ディープサイクルバッテリーを接続する 場合、100Ah程度では充電電流が高すぎます。 鉛バッテリーをご使用する場合、最低でも100Ah×2=200Ah以上でご使用ください。
車載ソーラーパネルキットの紹介
ポップアップルーフなど重量物を屋根に載せられない場合や、車高の問題でソーラーパネルを設置できない場合には、軽量で曲がるフレキシブルソーラーパネルがお勧めです。
発電効率は単結晶パネルに比べて低いですが、少しでもバッテリーを充電したい方は是非ご検討ください。
”エンジン式発電による充電”
※発電機によっては発電が不安定で、充電器が動かない場合がございます。
どれが確実かと言うと間違いなく家庭用コンセントからの充電です。
出発する前に家庭で充電し、出先では電源の取れるRVパークやキャンプサイトで充電する方法が一番確実です。
出先では電源が取れないことも想定されますので、次にお勧めな方法は、ソーラーパネルからの充電です。
もちろん天候次第ですが、昨今のソーラーパネルは高性能で発電効率が高くなってきておりますので、
当店で扱っている205Wや327Wなどのパネルであれば、実用的にバッテリーを充電することが可能です。
エンジン式発電機はガソリンを入れれば発電できますので万全ですが、最近では風当たりが強くなりなかなか 使うのをためらいます。
バッテリーの過充電・過放電
満充電にして更に充電し続けることを過充電といい、 バッテリーに溜めた電気を使いきってしまうことを過放電といいます。 どちらもバッテリーの性能を
著しく低下させる可能性がありますので、十分注意して使用することをお勧め致します。
なお、過充電は性能の低下に加え発熱や発火、爆発といった重大な事故につながる危険性があり大変危険です。 バッテリーを充電する際は、過充電防止
機能または、それに準ずる機能ある充電器を使い適切に充電を行なってください。
注意
バッテリーの直流電気(DC)をカー用品などのDC12V製品で直接使用する場合、バッテリーの電気を使い果たして過放電になるリスクがあります。
バッテリーは鉛・リチウム問わず過放電してしまうと性能劣化はもちろんのこと、充電できなくなる可能性がありますので、定電圧防止機能があるインバーターを介してAC100Vとして使用するか、どうしてもDC12Vで使用する場合には必ずバッテリーの電圧が11V前後になると電気をカットする「過放電防止器」などを使用してください。
インバーターやバッテリーに接続するケーブルに緩みがあると充放電の際に発熱し、被覆が溶けるなど大変危険です。
定期的に各部に緩みがないか点検することを心がけてください。